山・瓦について

瓦とは?

本来は土をこね、成形・焼成した「粘土瓦」のことです。

セメント瓦・金属瓦・ガラス瓦・石瓦・厚形スレートも瓦と称されます。

ここでは、粘土瓦の話をしたいと思います。

瓦の歴史

歴史に登場するのは、2800年前の中国。

日本には1420年前仏教と共にやってきました。

朝鮮半島からきた4人の瓦博士によって伝えられたとされています。

当初、寺院建築にのみ使用されていましたが、奈良・平安時代には宮殿
などの公共建築に、中世に桧皮葺きに押され一時衰退するものの、近世
に入り城郭の建築に多く用いられました。

ただ、この時代までは本瓦葺(平瓦+丸瓦)の為、重量・コストがかさ
み一般には普及しにくかったようです。

そして約340年前、近江大津の西村半兵衛が今の和形瓦の原型の桟瓦を
創案し、耐火性能はもちろん軽量化とコストダウンで、一般に普及して
いくこととなったのです。

  • ● 不燃材(耐火)であること
  • ● 吸水率が低く、歴史に裏打ちされた水を効率よく流すデザイン(耐水)
  • ● 適度な厚みと重量と自然な通気性(断熱)(防音)
  • ● 進化する機能デザインと施工技術の発展(耐震)(耐風)

山梨の瓦

史実として1851年甲府城築城のとき南アルプス市加賀美で瓦御用を務めた記録がありますが
実のところ、いつ山梨で瓦の製造が始まったのか正確に分かってはいません。

この地には粒子の細かい良質な粘土が露出していて、燃料も容易に調達できたため、
昭和40年代まで瓦の製造が盛んにおこなわれました。

戦前は百枚判(3.3坪あたり100枚必要)を戦後は八十枚判を主に製造していました。

昭和31年の統計には製造工場が32、県内需要の50%を製造していたとあります。


昭和50年代に入ると、工場が激減。

良質の粘土を採りつくし、労働力不足と、セメント瓦・県外産瓦(三州)の
台頭が追い打ちをかけた結果です。

そして残念なことに、今現在、山梨県内に粘土瓦の製造工場はありません。

道路整備が行き届いた結果、輸送コストリスクが小さくなり、

綿々と続いた地産地消の仕組みは消え去る他なかった訳です。

三州瓦(愛知県)

現在、山梨県で屋根に葺かれる粘土瓦のほとんどが三州瓦です。

石州瓦(島根県)・淡路瓦(兵庫県)と並ぶ日本三大瓦のひとつで、日本一の生産量を誇っています。

愛知県陶器瓦工業組合

製法 特徴
粕薬瓦(陶器瓦) 陶器瓦の表面に粕薬をかけた瓦。 多彩なカラーがあります
いぶし瓦 山梨の瓦もこのタイプ。炭素被膜 で表面を覆っています。銀色
無秘薬瓦 窯変瓦などがあります。 アースカラー
塩焼瓦 塩を投入して焼成。珪酸ナトリウム被膜 で裏面を覆っています。褐色


形状 特徴
本葺き 伝統的形。平瓦と丸瓦がセット。 今でも寺社建 などに用いられています。
J形 和形53A。3.3㎡に53枚。昭和の標準的屋根瓦。 世界に誇れるジャパニーズデザイン。
F形 平板(フラット)のF。3.3㎡に40枚。 平成の標準的屋根瓦。メーカーごとに多彩なデザイン。
S形 スパニッシュのS。3.3㎡に49枚。 山と谷が一体となった大きな波が洋風建築にマッチ。

山梨県瓦工事業連合会 事務所

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